2019年6月9日 聖霊降臨の主日 C年
(使徒2・1－11)、(ローマ8・8－17)、(ヨハネ14・15－26)
聖霊降臨は、人類の救いのために、神の側でして下さる準備の完了を意味します。この準備の完了について、今日の叙唱の中で、私達はこう祈ります。「御独り子と共に神の国を継ぐ人々の上に、あなたは、今日聖霊を注ぎ、過越の神秘〔主の死と復活と昇天〕を完成して下さいました。」
主の過越と聖霊降臨のお蔭で、「悔い改めれば、罪の赦しが受けられる」と、御父と御子が呼びかけ続けられます。」その証人となるのが、使徒達をはじめ私達と、聖霊です。――水平的証しと、垂直的証し（先週のもの参照）――。
これについて、主は復活した日の夜、弟子達に告げられました。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、あなたがたはこれらのことの証人となる。私は父が約束されたものをあなたがたに送る。高いところからの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい」（ルカ24・46－49）。
そして今日、「聖霊、来て下さい」と祈りながら待ち望んでいた弟子達の上に、聖霊が降られました。聖霊はキリストの死と復活、そして罪の赦しを得させる悔い改めについて、弟子達と共に証しをされますが、更に、私達キリスト者の中に住んで、次の二つの働きを続けられます。①私たちを聖化する。②私たちを三位一体の神の交わりに与らせる。
これについて、母なる教会は次のように教えています。「五旬祭の日に聖霊が派遣されましたが、それは、第一に、教会を聖化するためであり、第二に、信じる人々が、キリストを通して聖霊において、御父に近づくためでした」（教会憲章No.４参照）。聖霊は人を聖化する第一歩として、内的なまなざしをキリストに向けさせ、罪の赦しを得させる悔い改めを促されます。このことが最初の聖霊降臨の日に実現し、約三千人の人々が洗礼を受けて、キリストの弟子となりました（使徒2・14－41参照）。
私達はブドウの木であるキリストに結ばれて、聖霊という樹液によって生かされています。私達が結ぶ実について、母なる教会はこう言います。「聖霊は教会と信者の心の中に住み、そこにおいて祈り、彼らが神の子であることを証しておられる。そして、あらゆる真理に導き、交わりと奉仕とにおいて一致させ、教会を教え導かれる。聖霊は福音の力をもって教会を絶えず新たにし、花婿であるキリストとの完全な一致へ導かれる」（教会憲章No.４参照）。このようにして、聖霊が私たちを聖化し、キリストの似姿に変え、御父に近づかせて下さいます。
天の父よ、聖霊の照らしと導きを敏感に感じ取れるよう、どうかお助け下さい。そして、忠実に従うことによって、あなたの御子と一致し、御子においてあなたに近づかせて下さいますように。
