2022年11月13日 年間第33主日 C年
(マラキ3・19-20)、(Ⅱテサ3・7-12)、(ルカ21・5-19)
神を畏れ敬い、忍耐によって命をかち取る
今日の福音のテーマは、神殿の破壊と、世の終わりの徴です。
第一 神殿の破壊。弟子たちが、エルサレムの神殿が見事な石や奉納物で飾られていることを話していると、主は仰せになりました。「あなたがたはこれらの物に見とれているが、神殿は徹底的に破壊される」と。弟子たちだけでなく、当時のユダヤ人は皆、「神殿の破壊は世の終わりの時以外にあり得ない」と考えていました。それで直ぐに世の終わりについて考え、「そのことはいつ起こるのですか。また、世の終わりのときには、どんな徴があるのですか」と尋ねました(第三朗読)。これに答えて、主は世の終わりの徴についても語られましたが、御自身は紀元70年に起きる神殿の徹底的な破壊を予告されたのです(ルカ21・20-24参照)。
なぜ神殿が破壊されたのでしょうか。エルサレムに住む人々が「預言者たちを殺しただけでなく、雌鳥(めんどり)が雛を羽の下に集めるように、キリスト御自身が彼らを集めようとされたのに、その招きに応じなかったからです」(マタ23・37参照)。一言(ひとこと)でいえば、「神を畏れ敬わなかったからです」(第一朗読参照)。
これは私たちに対する重大な警告でもあります。私たちは皆、キリストに接ぎ木されている者として三位一体の神の神殿ですが(ヨハ2・21およびIコリ6・15参照)、もし「神を畏れ敬わず」、「神の招きに応じようとしない」ならば、地上の生涯を終えたとき、エルサレムの神殿と同じように滅びてしまうでしょう。これについて主は、「あなたたちも悔い改めなければ、皆同じように滅びる」(ルカ13・3,5)と二度も強調されました。
第二 世の終わりの徴。「世の終わりはいつですか」という質問に対して、主はきっぱりとお答えになりました、「その日、その時は誰も知らない。天使も子も知らない。父だけがご存知である」と(マルコ12・32)。しかし、世の終わりの徴については語られました。偽キリストの出現。主の言葉どおり、今までも、多くの偽キリストが現われて人々を惑わして来ましたし、今後も現れるでしょう。更に、戦争や暴動、民族や国家の敵対、非常に大きい地震、飢饉や疫病、反キリストの出現などが世の終わりの徴です。しかもこれらのことが皆起こる前に、キリスト者への迫害があります。これについて、主は語られました、「あなたがたは王や総督の前に引き出され、親・兄弟・親族にまで裏切られる。中には殺される者もいる。私の名のために全ての人から憎まれる」(第三朗読)。しかし髪の毛一本さえ失われないよう、主が守って下さいます。
第三 そして最後にキリストの再臨。これについて主はこう語られました、「苦難の後、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る」と(マルコ13・24-26)。それから最後の審判(公審判)が行われます。その時、「再臨されたキリストが、高ぶる者・悪を行なう者を全て永遠の火に投げ込まれるでしょう。しかし主を畏れ敬い、その教えに従って生きた人々は、復活した体をもって神の国に迎え入れられます」(第一朗読およびIコリ3・13-15参照)。
天の父よ、あなたの御子は「忍耐によって命をかち取りなさい」と命じられました。そのように生き抜く恵みを私たちにお与え下さい。