2022年2月6日 年間第5主日 C年
(イザヤ6・1-8)、(Ⅰコリント15・1-11)、(ルカ5・1-11)
主の呼びかけに素直に従う
今日の福音の重要な教えは、主の呼びかけに素直に従うことです。ペトロとその仲間達は、ガリラヤ湖の漁師であり、一晩中働いたのに何も獲れませんでした。ところが、主は群集に話し終わったとき、ペトロに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われます。人間的に判断すれば、イエスの言葉に従うのは不合理なことでした。ガリラヤ湖で魚を獲る漁師達が一晩中働いたのに、何も獲れませんでした。漁師ではなく大工だったイエスが、(魚が水面近くに上がってくる夜ではなく)、日中に、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われるのです。しかし、そのとおりにすると、夥(おびただ)しい魚がかかり、二そうの舟が魚でいっぱいになり、舟は沈みそうになりました。
イエスの内に神的なものを感じて、ペトロは主の足もとにひれ伏して言いました。「主よ、私から離れて下さい。私は罪深い者なのです」と。しかし主が、「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる」と言われると、ペトロとその仲間達は勇気と力に満たされ、すべてを捨てて主に従いました。こうして、魚を獲る漁師から人間を獲る漁師、つまり、キリストの協力者である使徒に変えられました。
20世紀の偉大な聖人である聖ファウスティナも、初めて主の呼びかけに応えた時のことを次のように語っています。「ある時、姉妹の一人と一緒にダンスパーティーに参加しました。皆は大そう楽しんでいましたが、私の霊魂は内的な苦悩を味わっていました。ダンスをし始めたとき、突然、私の傍にイエスを見ました。イエスは苦痛にさいなまれ、衣を剥がれ、体じゅう傷だらけで、こう言われました。『いつまで私はあなたを我慢しなければならないのか。あなたはいつまで私を遠ざけるのか。』その瞬間、優雅なダンスの音楽は聞こえなくなり、周りの人達の姿はかき消え、イエスと私だけになりました。…しばらくして姉妹や仲間を後に残して、そっと抜け出し、聖スタニスワフ・コスッカのカテドラルに行きました。日が暮れ始めていて、カテドラル内の人影はまばらでしたが、周りの人のことなど構わず、御聖体の前にひれ伏して、これからどうしなければならないかを教えて下さるよう、主に願いました。すると、次の言葉を聞きました。『すぐにワルシャワへ行きなさい。そこであなたは修道院に入るだろう。』
祈りを終えて家に帰り、身辺を整理しました。姉妹に私の霊魂に起こったことをできるだけ詳しく打ち明けて、私に代わって両親に別れを告げてくれるよう頼みました。こうして、着の身着のままで〔汽車に乗り、〕ワルシャワに着きました」(『日記』No.9&10)。
聖女は、主の招きに忠実に従い続けることによって、20世紀における最大の神秘家の一人となり、主から「我が慈しみの使徒」(No1142)と呼ばれ、紀元二千年に列聖されました。そして、『日記』を通して神の慈しみを力強く宣べ伝えています。
以上の出来事から、主に素直に従うことがどんなに重要であるかを肝に銘じたいものです。
天の父よ、あなたの御子の呼びかけに忠実に応えつつ、私達もあなたに喜んで頂ける聖人、しかも偉大な聖人とならせて下さい。