2021年4月18日 復活節第3主日 B年
(使徒3・13-19)、(Ⅰヨハネ2・1-5)、(ルカ24・35-48)
神様の働きかけと私たちの悔い改め
今日の福音で、主は「聖書を悟らせるために、弟子たちの心の目を開いて」言われました。「メシアは、①苦しみを受け〔人々の罪の贖いのために十字架上で死に〕②三日目に死者の中から復活する。そして、③罪の赦しを得させる悔い改めがその名〔キリストの名〕によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる」と。つまり、悔い改めれば〔福音に従って生きようと心から望むならば〕、神はその人に罪の赦しと神の命を与えて、終りの日に復活させて下さいます。
悔い改めについて或る実例を見ましょう。2004年の出来事です。
フリーメーソンの主人と信心深いカトリック信者の奥様がいました。フリーメーソンという秘密結社は、カトリック教会を地上から抹殺したいと考えています。そしてこの主人は、社会的に高い地位に就いている有名人でした。奥様が非常に重い病気に罹り、現代医学の治療を受けていましたが、一向によくなりませんでした。最後に、奥様は主人に言いました。「ルルドへ行きたい。これが最後のお願いです」と。主人は、「ルルドなんて!」と真っ向から反対しましたが、奥様が余りにも熱心に願ったので、そして奥様を深く愛していたので、とうとうその願いを聞き入れ、休暇を取って、奥様と一緒にルルドへ行きました。奥様は泉の水の沐浴場に行きましたが、主人は「迷信だ」と考えていたので、沐浴を完全に無視しました。
ところが、自分でも分からぬまま急にルルドの聖堂に入りました。その時、司祭が「叩きなさい。そうすれば開かれる」という聖書の箇所を読み、話していました。この言葉は、フリーメーソンの集会でも、位が上がるときに読まれる言葉だそうです。その瞬間、「ここに真の真理がある」という確信が与えられ、聖母が彼の心に語りかけられました。「何をしているのです。洗礼を受けなさい」と。
それで、「今すぐ洗礼を受けたい」と願いましたが、司祭は、「準備が必要です」と言って、すぐには洗礼を授けませんでした。奥様はルルドの水で沐浴しましたが、その時にはよくならず、二人は家に戻りました。そして、主人はよく準備して、洗礼式に臨みました。司祭が主人に洗礼を授けたその瞬間に、奥様の重病が完全に癒されました。この出来事は、主人が高い地位に就いている有名人であったので、その国のマスメディアで大きく取り上げられました。
私たちが罪の赦しと永遠の命を頂くための条件が、悔い改めることです。上述の実例において、主は彼の妻の病気を利用して、ルルドの大聖堂で彼の心を照らされました。マリア様は「何をしているのです。洗礼を受けなさい」と言って、彼の悔い改めに密接に関われました。奥様も、主人の回心のために長い期間、熱心に祈り続けていました。夫が妻を深く愛していたことも重要な要素だと思われます。これらの条件が、罪の赦しを得させる悔い改めへ夫を導きました。神様は、このように一人ひとりの救いのために今も働き続けておられます。
天の父よ、あなたは私たちを真の悔い改めへ導くために、御子と聖霊と共に今も力強く働き続けて下さっています。私たちがあなたの働きかけを敏感に感じ取り、日々、忠実に応えることが出来るよう、どうかお助け下さい。