2021年4月4日 復活の主日
(使徒10・34-43)、(Ⅰコリント5・6-8)、(ヨハネ20・1-9)
主の死と復活がもたらす恵み、救い
キリストは、復活した日の夜、使徒達とその仲間達に現れて、極めて重要な三つのことを言われました。「聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて言われた」と、ルカは書き始めます。「次のように書いてある。『①メシアは苦しみを受け、②三日目に死者の中から復活する。そして、③罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と」(ルカ24・45-47)。つまり、キリストは十字架上で死に、三日目に復活されましたが、その根本的な目的は私達を悔い改めさせることなのです。《悔い改める》とは、《キリストの福音を信じる》ことです。この信仰さえあれば、人は誰でも主キリスト御自身から罪の赦しを受け、聖霊を注がれて、神の命・永遠の命を生きる者とされます。それだけではなく、復活されたキリストと同様に、世の終わりに栄光に輝く体・永遠に生き続ける体を受けるのです。
今日の第一朗読で、聖ペトロが百人隊長のコルネリウスの家で大勢の人々に語った話の一部分が朗読されました。そこでペトロが言おうとしているのは、復活の夜、キリストが強調された三本柱(①,②,③)を伝えることです。主イエスについて話し始め、39節で①「人々はイエスを木にかけて殺してしまいました」と言い、続いて、40節で②「神はこのイエスを三日目に復活させ、人々の前に現してくださいました」と断言します。そして最後に、43節で③「この方を信じる者はだれでもその名〔つまり、イエス〕によって罪の赦しが受けられる」と宣言します。そして、ペトロが話し続けているうちに、話を聞いていた人々の上に聖霊が降り、彼らが異言を語り出したので、ペトロは彼らに洗礼を授けたと、聖書は述べています(使徒10・1-48参照)。
使徒言行録に聖ペトロの説教が幾つか伝えられていますが、必ずこの三本柱が述べられています。要約しますと、キリストが死に、そして復活されたのは、キリストの福音を信じる人々に罪の赦しと神の命・永遠の命を与えるためだったのです。この恵みを頂いている私達は、どんなに深く感謝しつつ恵みに応えなければならないことでしょう。
第二朗読で、私達キリスト者はどのように生きるべきかが示されています。世間的な精神というパン種をきれいに取り除いて、キリストの教え〔福音〕という純粋で真実のパンで養われながら、全生涯を生き抜くよう努めるはずだと、聖パウロは言うのです。
天の父よ、あなたの御独り子の死と復活が私達に救いという限りなく貴重な恵みをもたらしたことを感謝します。この恵みを受けた私達が、キリストの教えという純粋で真実のパンによって養われつつ生き抜くことができますように。