2021年1月17日 年間第2主日 B年
(Ⅰサムエル3・3-19)、(Ⅰコリント6・13-20)、(ヨハネ1・35-42)
聖霊によって動かされる
アンデレとゼベダイの子ヨハネは、洗礼者ヨハネの証しを聞いて、イエスについて行き、「この方こそメシアだ」と確信するに至りました。そしてアンデレは、自分の兄弟シモンに「私たちはメシアに出会った」と告げて、イエスのところへ連れて行き、シモンもイエスの弟子となるよう働きかけました。
キリストの弟子となることについて、ベネディクト16世前教皇は、次のように言われました。「誰でもイエスを知れば知るほど、ますますイエスの神秘に引き寄せられ、…ますますイエスとの一致と交わりを求めるように促されます。これが聖霊によって動かされるということです。」アンデレとヨハネは、イエスと語り合うことによってイエスを知り、教皇様のお言葉どおり、「聖霊に動かされて、イエスに引き寄せられ、イエスとの一致と交わりを求めるようになりました。」
しかし、イエスと語り合うことについて、重要な第一歩があります。第一朗読で、少年サムエルは、神から呼びかけられたとき、祭司のエリが呼んだのだと思って、祭司のもとへ行きました。そのように振舞う限り、神はそれ以上何も語られませんでした。しかし、ついに祭司エリに教えられて、神に答えました。「主よ、お話し下さい。僕は聞いております。」こう答えたとき、神はサムエルに色々と語りかけ始め、彼は偉大な預言者として成長していきました。つまり、私たちも先ず神の語りかけに耳を傾けなければならないのです。これについて、主はシスターファウスティナにこう言われました。「ああ、霊魂たちが、彼らの心の深みで話している私の声を聴こうと望みさえすれば、彼らはすぐに聖性の頂点に達するであろう。」(No.584)
主は、私たちの心の深みで話して下さっているのです! それで、サムエルのように「主よ、お話し下さい。僕は聞いております」と答えて、耳を傾けましょう。そうするなら、私たちは「すぐに聖性の頂点に達するのです!」これは、主の約束であり、断言です。
ですから、アヴィラの聖テレジアが潜心の念祷について勧めているように、自分の知性・意志・記憶・感情などを引き連れて、心の奥底へ下りて行き、そこで主の語りかけに耳を傾けましょう。主と二人きりになって親しく語り合うことを、主が熱く望んで下さっています。このお望みに全身全霊をあげて応えましょう。主の語りかけに耳を傾け、忠実に応えるとき、すぐに聖性の頂点にまで、主が高めて下さいます。その素晴らしい実例が、聖ファウスティナです。彼女は33歳で地上の生涯を終えましたが、聖性の頂点にまで上げられました。
アヴィラの聖テレジアは断言しました。「私たちは自分の全てを主に差し出さないので、主も御自分の全てを与えて下さらないのです。しかし、全てを差し出すなら、主は必ず御自分との変容的な一致を実現して下さいます」と。
天の父よ、私たちが御子キリストの語りかけに耳を傾けたいと望む恵みと、自分の全てを主に差し出す恵みとをお与え下さい。