2023年1月1日 神の母聖マリア
(民数記6・22-27)、(ガラテヤ4・4-7)、(ルカ2・16-21)
神の慈しみの証人となる
母なる教会は、元旦を神の母聖マリアの祝いと同時に、世界平和のための祈りの日と定めています。この祝いと祈りを神の御心に適った仕方で実行するために、どうすればよいのでしょうか。結論は、神の慈しみの証人となることです。
私たちは全世界の平和のために祈るべきですが、平和の実現に関する神の教えは、極めて単純明快です。イエスが言っておられるからです。「人類は、信頼をもって私の慈しみへ向かわない限り、決して平和を見出さない」(聖ファウスティナティナの『日記』No.300)と。つまり、人類が平和を見出すのは、信頼をもって神の慈しみに向かう時だけです。これを説明して教皇ヨハネ・パウロ二世は、ポーランドのクラクフ市のワギエヴニキに完成した神の慈しみの大聖堂を献堂するとき、次のように語られました(2002年8月17日)。
「憎しみと復讐のあるところに平和をもたらすために、戦争の苦しみと死のあるところに平和をもたらすために、人々の心と精神に平和をもたらすために、神の慈しみが必要です。神の慈しみによって、全世界の人々が平和と幸福を見出しますように! これを実現するために、兄弟姉妹の皆さん、どうか神の慈しみの証人となって下さい。皆さんにこの使命を委ねます。」
ではどうすれば、神の慈しみの証人となれるのでしょうか。聖母の模範に倣うことです。羊飼いたちが天使の話したことを人々に知らせたとき、ほかの人々は、その話を不思議に思っただけでした。しかし、聖母はこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしておられました! いつでも、どこでもこうすることによって、聖母はイエスの慈しみを誰よりも深く理解して、その似姿に創りかえられ、神の慈しみの最も力強い証人となられました!
カナの婚宴のとき、聖母は御子イエスに一言だけ言われました。「ぶどう酒がなくなりました」と。「婦人よ、私とどんな関わりがあるのです。私の時はまだ来ていません」という、イエスの返事にもかかわらず、聖母は召し使いたちに言われました。「この人が何か言いつけたら、そのとおりにして下さい。」慈しみに対する聖母の信頼に応えて、イエスは、御自分のタイムテーブルを急遽変更して、80ないし120リットルの水がめ六つに水を満たさせ、それを最高のぶどう酒に変えられました!
私たちも聖母の模範に倣って、イエスの言葉と行いを心に納めて思い巡らしましょう。そして、理解させて頂いたことを日々の生活の中で実行するように努めましょう。そうすれば、慈しみ深いイエスの似姿に変えられ、神の慈しみの力強い証人となれます。
天の父よ、御子イエスの慈しみの証人となるために、聖母のように主の言葉と行いを心に納めて思い巡らし、それを日々の生活の中で実行できるよう助けて下さい。