2022年12月18日 待降節第4主日 A年
(イザヤ7・10-14)、(ロマ1・1-7)、(マタイ1・18-24)
神である救い主への信仰による従順
今日の御言葉の中心的なメッセージは、「処女マリアから生まれるイエスが、預言されていた“ダビデの子”で、“神である救い主”だ」ということです。これを確認しましょう。
処女マリアは大天使から告げられました。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる」と(ルカ1・35)。マリア様はこの事実を婚約者のヨゼフ様に伝えられました。すると、義人のヨセフ様は次のように考えられました。「聖霊によって神の子を宿したマリアを自分の妻として迎え入れることも、生まれてくる神の子に対して父親気取りでいることも許されない。マリアとその胎内の子を神御自身に委ねて、私は身を引こう」と。このように考えて、「マリアのことを表ざたにしないで、ひそかに縁を切ろう」と決心されました。
すると、主の天使が夢に現われて、神のお望みを告げました。「ダビデの子ヨセフ、そのように恐れないで妻マリアを迎え入れなさい。確かにマリアは聖霊によって身ごもった。だからといって、『自分の妻として迎え入れるべきでない』と考えてはいけない。神の御旨はこうである。マリアは男の子を生む。ダビデの子孫であるあなたが、マリアとその子を迎え入れて、その子にイエス、すなわち“主は救う”と名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。このように、ダビデの子孫であるあなたが母と子を受け入れることによって、その子をダビデの家系に入れることになる。これが神のお望みである」と(レオン・デュフール、福音の研究《ヨセフヘの告げ》の項参照)。こうして、「救い主がダビデの子孫から生まれる」という神の約束(Ⅱサムエル7・12-13)と、「処女が身ごもって男の子を生む。その名はインマヌエルと呼ばれる」という預言とが(第一朗読)、成就しました。
このことが第二朗読においても語られました。「御子は肉によればダビデの子孫から生まれ、聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです。この方が、私たちの主イエス・キリストです」と。そして、この世に来られた神の子・救い主に対して、私たちの取るべき態度は信仰による従順です。これについて使徒パウロは言います。「私たちは、すべての異邦人を信仰による従順へと導くために、使徒とされました」と(第二朗読)。信仰による従順とは、「啓示される神に知性と意志を完全に奉献し、神の啓示に自発的に同意し、自分自身を自由に残りなく神に委ねることです」(啓示憲章No.5)。その模範がヨセフ様です。ヨセフ様は万事において神のみ旨にいつも完全にかつ速やかに従われました。
ですから待降節最後の主日の今日、処女マリアからお生まれになったイエスが、預言されていた“ダビデの子”で“神の子・救い主”であることを確認し、信仰による従順の恵みを願いましょう。
天の父よ、私たちが信仰による従順を生き抜くことができるよう、いつも助け導いて下さい。